ザークビー物語
歌 金城成樹
作詞 金城久司
作曲 金城成樹
( 訳 関 洋 )
1、ラクサ落水(うちみじ)に アユぬ魚登(いゆぬぶ)てぃ ラクサ落水ぬ 光(ひちゃ)い美(ちゅら)さ
◯比地川にかけたラクサ(堰)からの落ちる水にアユが登って跳ねるときの水の輝きの美しいことよ!
2、ザークビーぬ森(むい)に 美風寄(ちゅらかじゆ)してぃ 美童(みやらびぬ)笑(われー) 時(とぅち)ん捨(し)てぃてぃ
◯座峠の森に気持ち良い風が吹いて、娘の笑い声に心は時を忘れて
3、ザークビーぬ水路(いんす)に 水車(みじぐるま)ぬして サーターぬ香(かば)さ 童(わらび)とみさ
◯座峠の水路に水車をかけて サトウキビの香りがいいので 子どもが求めるよ
4、山暮らし終(うわ)てぃ かやぶちぬ長屋 ザークビーぬ宿に しばし宿ら
◯山暮らし(戦争からの疎開)を終えて茅葺の長屋 (避難民収容所)座峠の宿にしばし泊まろう
5、戦世(いくさゆ)ん終(うわ)てぃ 身心(みぐくる)んゆどり 松下(まちした)ぬ花に 想(うむ)い散らち
◯戦争が終わって、身も心もそこにとどまって 松下の花(料亭の女性に)想いを寄せて
6、半地(はんじ)劇場に 人波(ふぃとなみ)ぬ寄(ゆ)してぃ 映画歌芝居 肝(ちむ)に染(す)みてぃ
◯半地劇場に人波が寄せるほど集まって 映画歌芝居で心も染まって
7、美水(ちゅらみじ)んかりて 美風(ちゅらかじ)んとまてぃ 黄金(くがに)田ぶっくわ 夢(いみ)がやたら
◯美しい水も枯れて 気持ち良い風も止まって 実り豊かな田園風景は夢だったのか。。
8、昔(ふかし)はねーちゃる 美森(ちゅらむい)るやしが 時世(とぅち)に流さりて 道路(みち)に変わてぃ
◯昔は華やかな美しい森であったが 時代の流れに流されて道路に変わってしまった
※ザークビー 国頭村の半地(はんじ)という字(あざ)にある小高い丘の呼び名。「座峠」という字が当ててある。「座」は「座る」の意味で、昔は毛遊びが盛んな場所だった。「くびー」は「峠」を意味するとする文献もある。
松下の花は、昔あった料亭松乃下。
ザークビー物語blog記事
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