【まとめのまとめ】
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ついさっき家族で食後のお茶
飲みながら改めてオカンから
聞いた話。
(書き込むのは初めてなんで、
指摘あったらゆってくれ)
もう二十年近く昔で俺は覚え
てないんだが、
母と俺の体験。
当時自分はまだ小学校の一年坊主で、
母とまだアカンボの妹と
祖父母と五人、
長野の実家で暮らしてた。
(今俺は京都で一人暮らし)
とりあえず当時のことを
サクッと書いとく。
うちは母子家庭で、母親が
文字通り朝から晩まで働いてた。
当時まだ二十代後半の母は
昼は喫茶店で珈琲淹れて、
夜は伯父がやってる肉屋の
配達の手伝いを自分の車で
やっていた。
車がないと暮らしていけない
土地だったし年配の人も
多かったので、
夕飯時に電話一本でお肉の
配達してくれるサービスは
今でも喜ばれてる。
オカンは車の運転上手くて
全然苦じゃないタイプだから、
配達のバイトはガンガンやっ
てたそうだ。
天真爛漫を絵に描いたような
いっつもにこにこした
オカンなんだが、
当時はまだ若いこともあって、
肉屋の伯父や叔母を始め、
親戚や常連さん達から孫や娘
みたいによく可愛がって
もらってたそうだ。
俺と妹にって、常連さんから
お菓子持たされて帰って
きたりもしょっちゅうだった。
今帰省しても、いい地元
付き合いだなってよく思う。
とりあえず、当時はこんな
感じだった。
つづきます。
つづきっす。
それは、オカンが肉屋の
配達で遅くまで帰らなかった
12月25日の深夜に起こった。
その日俺はオカンの帰りが
遅い日なので、
妹と一緒に1階の祖父母の
部屋で四人並んで眠っていた。
(母がいる夜は2階の寝室で
三人で川の字で寝る)
ふと、祖父が目を覚ますと
俺の姿がない。
トイレにでも行ったのかと
思って祖父がトイレを見に
行くがいない。
おかしいと思ってキッチンや
リビングを見るが俺の姿が
見当たらない。
祖父は急いで祖母を起こしに
行って二人で家中を探したがおらず、
もしやと思って玄関を見れば
出っぱなしだった俺の長靴がない。
時刻はもうとうに日付の変わった
(日付で言えば26日の)
夜中の3時前。
祖父母は真っ青になって
上着も羽織らず玄関から
飛び出ると子供の足跡がまだ
残ってる。
あわてて跡を追えば山道の
方に向かって凍結した坂道を
歩いてる俺がいる。
祖父母は夜中だってことも
忘れて大声あげて飛んでくと、
パジャマに長靴履いた俺が
「おかあさんを迎えにいく」と
手に母のジャンバーを持って
はなさない。
何事かと思った祖母だったが、
そういえば母が帰って
いなかったことを思い出し、
俺に話を聞けば、夢で、母が
道でさむがってる、
車がドーン(事故)して動かない、
と言うもんだから、
慌てて母の携帯にかけるが
繋がらない。
肉屋の伯父にも連絡を取って
店を確認すれば、
持って帰る予定のガソリン代や、
施錠予定の鍵もそのままに
なっている。
これはと思って警察に事情を
説明し捜索を頼んだ所、
1時間後に山あいの道で
スリップ事故を起こし、
動かれなくなっている母が
発見された。
ガソリンが尽きて暖房が切れ、
携帯の充電も切れていた為
連絡が取れずにおり、
発見が朝まで長引けば最悪の
事態も考えられたそうだ。
ここまでのことを、自分では
正直よく覚えてないんだが、
街の病院にオカンを迎えに行った時、
泣きながら俺達を抱いて
「神様ありがとうございます」
とオカンが何度も感謝を
述べていたのはうっすら覚えている。
もうちょいつづきます。
つづきっす。
母はその日、24日ほどではないが、
その日も中々配達の量が
多かったそうで、
母が最後の配達を終えたのは
クリスマスも残り1時間
切った頃だったそうだ。
隣町まで大量の
しゃぶしゃぶの肉を届けて、
あとは肉屋に寄ってから家に
帰るだけ。
連日の大量配達でガソリンが
残り少なくなってはいたが、
帰りにはレジに用意して
くれてあるガゾリン代を
貰って預かった鍵で店を閉め、
スタンドに寄ってから家に
帰ることになっている。
それより子供とクリスマスを
過ごせないのを申し訳ないと
思いながら夜の道を走ってたそうだ。
地元の慣れた道とはいえここ
数日降った雪が凍ってて、
山際だから坂やカーブもある。
スタッドレスタイヤ
履きつつもきちんと安全
運転で走ってた車に、
いきなり横の山際から黒っぽい固まり
(多分イノシシかカモシカ)
が転がり出てきたもんだから、
ぶつかる!
と思って咄嗟にブレーキ
踏んじゃって、
そのままスリップ。
地面滑るように車の顔から
路端に突っ込んで、
車が動かなくなったそうだ。
幸い怪我が
打ち身くらいだったようだし、
とりあえず携帯でサポート
センターと家族に連絡
入れようと思って携帯見たら
朝から持ち歩いて何本も配達
電話してた携帯が電源切れてる。
母はこれを見た時は流石に
血の気が引いたらしい。
次でさいごっす。
さいごっす。
中部とはいえ長野の真冬の
夜は外気温が氷点下になる
ことも珍しくない。
空いてる道路を優先で道を
走っていた母は、
ここがそれほど車通りのない
道だということを十分
分かっていたそうだ。
年末の夜中、携帯は
電池切れ、残り少ないガソリン。
…雪国育ちならこの不安多分
わかるんじゃなかろうか?
とにかく誰かを呼ばねばならないと、
クラクションを鳴らし続けてみるが、
反応がない。
ないけど慣らすしかない。
住宅街とは程遠いことも
オカンは知ってたから、
この時すでに涙目だったらしい。
家はまだずっと遠かったし。
家族には「遅くなるから」
とだけ伝えてある。
肉屋の伯父叔母は既に帰宅して、
店を閉めるのは自分になって
いるから、
店に帰らない自分には気付かない。
幼い俺と妹と一緒に祖父
祖母が眠ってしまっていたら、
自分の異常に気づく人がいない。
雪降る真冬の長野で、
ガソリンも食べ物もない車の
中で母の身体じゃまず保たない。
そんなこと考えてるうちに
ガソリンは切れて、
少しづつ車内が冷えていく。
クラクションを鳴らすが
人影はないまま。
被れるだけの布を集めて包まっても、
寒くて寒くてどうしようも
なくなってきて、
携帯の画面は真っ暗のまんま、
息だけがどんどん白くなってく。
オカンはあぁ私市ぬかも
しれないと思って泣いたそうだ。
せめて最後に子供に会いたい、
会ってごめんねを言いたいと
手を合わせて、母が好きで
いつも初詣に行ってる諏訪
大社に向けて祈ったそうだ。
そうしてるうちにパトカーが
向こうからやってきて、
自分の名前を確認された。
「ご家族から捜索願が出さ
れて探していました」
と言われた時に、
ほんとに市ぬと諦めかけて
いたオカンは安堵と感謝で
顔を覆ってパトカーでまた
泣いたそうだ。
母にとってはほんとに洒落に
ならんくらい怖かったと思う。
これでしまいです。
さっきお茶飲みながら、
クリスマスの夜に日本の
神様に祈る所がオカンっぽいな、
って
家族そろって笑い話にできたので、
記念にカキコしてみました。
ホラーっぽさなくてすんません。
神様には感謝っす。
お母さんが無事でなにより。
肉屋…イノシシ…まさか
動物の呪い!?と思ってしまった
不思議な事ってあるものだね。
神様があなたに知らせたのかな。
しかし猪の呪い…すまん、
ちとウケたw
まさに洒落にならない怖い
話のタイトル通りの話でした
お母さん無事で何より
創作だとしても読み易くて
テンポも良くて面白いだと
自分は思った
良い話を有難うまた何か
あったら書き込んで欲しいな
楽しみにしてます
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